飲食業で外国人顧客をターゲットから外すのは大きな間違い

年々増加する外国人旅行者

スクランブル交差点_SLP

今更敢えて申し上げる必要もないが、政策によって年々、訪日外国人旅行者の数は一途をたどり2017年度は2,869万人にも達している。スポーツの祭典が東京を中心に開催される2020年には4,000万人の目標を掲げており、数年前には絵に描いた餅とも言われていた目標は今では前倒しで達成する勢いである。

 

いわゆるゴールデンルート言われていている東京から箱根を経由して、日本の象徴である富士山、その先の名古屋、京都、大阪までのことを指すが、このルート周辺では外国人を見かけない日はまずないであろう。公共の案内は日本語だけではなく、英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語などは当たり前。その他の言語による掲示も益々増えている状況である。

花見をする外国人_SLP

大台である2,000万人を目前とした2015年当時、とある記事には「訪日外国人が年間2,000万人訪れた場合、東京都内の7人に1人が外国人であるのに匹敵する」という事が書かれていた。4,000万人というとその倍であるから、統計学上正しいか否かは別にしても、3.5人に1人が外国人というほどのインパクトがあるということであろう。

地域ぐるみのインフラは進むものの・・・

爆買い_SLP

政府の後押しもあり訪日外国人の数は年々爆発的増加をしている事は嬉しい限りである。一言で「訪日外国人」とくくってしまうのは少々失礼であり、国やエリアなどにおいてもそれぞれ違うがありトレンドの変化が伺える。

 

訪日外国人数の土台を築いているのは中国、韓国、台湾をはじめとするアジア圏の方達であるが、「爆買い」という言葉が流行した2年前とは少々様相が変わってきている。当時は団体ツアーがメインであり、決まった場所に決まったルートで移動し、大量に収容できる大型店を中心に恩恵を受けていたが、最近では団体ツアーは相変わらず人気があるものの個人旅行の傾向が強くなってきている。 

地獄谷温泉の猿_SLP

欧米諸国の旅行者の多くは個人旅行者であり、母数は低いものの団体ツアーでは訪問しないような場所への観光や、日本の文化に触れるニッチな体験を求めている傾向がある。台湾や韓国の方達の多くは20-30代の方達が多く、彼らはSNSで得た情報を元にして旅行の計画を立てていたりする。個人旅行者が増えるにつれて、ゴールデンルート以外のニッチ体験ニーズが増えることが予想される。

 

ここで大事なのが、どのようにして自社や地元エリアの情報を彼ら旅行者にリーチさせるかという事である。

「うちの店は英語のメニューを用意している」

「私たちの地域のWEBサイトは多言語対応している」

「通訳ガイドだって準備してあるよ!」

などと言ったとしても、そもそもその店を知らない彼らがどうやって皆さんのお店に辿り着くまたはWEBを発見できるのか?これは天文学的な偶然を待つしかない。

クレジットカード_SLP

その為に地域に自治体は予算を投入してターゲットとする国へ広告を入れたり、高い費用を払って広告代理店に案件を投げたりしている。

 

使える予算があるのであれば使うにこしたことはないが、費用対効果の観点からするとかなり長期的にみないとペイしてこないのではなかろうか?もちろん、代理店においてもコミットベースでの受託はあり得ない。

情報には大きさと頻度に加え時間軸が存在する

外国人とサラダ_SLP

予算が存分にあり、大きな情報の塊をメディアに投入して一気に認知度を高めるのはそれなりの効果がある。然しながら、情報には大きさの粒度以外にも大切なのが継続性である。

 

某味噌メーカーが、オーストラリア出身のファッションモデルを起用して長期的にCMを流しているが、1クールでも数億円の広告費が掛かっていると噂されている。毎日何回も流れているCMではないが、かれこれ1年ほど放送されているのではなかろうか?これは商品のブランディング戦略の一つで、ファッションモデルという高貴な人物が親しみのあるメーカーの調味料とシンクロさせながら、自分が普段使っている調味料と同じ銘柄のものをモデルが使用することで、自分とモデルの親近感を創出させるものである。流行りのアイドルと同じ髪形をする事で親近感を持つということと同様の心理である。

少し話題のスケールが大きくなり過ぎたので元に戻すと、限られた予算の中で出来るだけ継続して情報を入れていく事が地道ではあるが一番の近道になる。ここで一つだけ付け加えておきたいのが、いくら情報を発信したとしても求める相手に届かなければ意味がないという事である。

身近なところから出来ることを見つける

届ける相手として、それが海外の方達ならば彼らの言語にして情報を発信するということはまず必要であろう。気をつけたいのがブラウザなどの自動翻訳機能を利用して多言語表示が可能にしているWEBを拝見することがあるが、これはお勧めしない。その情報に興味を持ち、好意的に翻訳された内容を理解しようとすれば理解できないレベルではないが、興味関心を抱く前に自動翻訳の文章を見た人は同じように好意的に理解してくれだろうか?

メニュー01SLP

メニューなどの紙媒体も同様に、日々更新する必要がないものくらいはしっかりとビジネスレベルで翻訳しておくことをお勧めする。メニューなどは英訳した際に日本人にはニュアンスが伝わったとしても、日本文化に親しみにない人にとってはさっぱり意味が伝わらないという事も少なくない。

 

飲食店であれば翻訳に合わせて写真を掲載しておくことをお勧めする。最近のスマホはかなり高レベルで写真を美しく撮影できるものもあるので、写真には全く自信がないという方以外は、最初はわざわざプロの手を借りる必要はない。

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次にどこに情報を掲載するかという事であるが、自社のWEBサイトに掲載するのはもちろんであるが、ここで終わってしまうと折角多言語に翻訳して写真も撮ったのに誰にも見てもらえない。見てくれるのは近所の常連さんだけという寂しい結果を招いてしまう。

 

自分で出来るものとして、TWITTERとかInstagramなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用してみてはどうだろうか。より多くの人、更には自分が見てもらいたい人に自分の投稿を見てもらえるようにするには多少のテクニックが必要であるが、SNSの良いところは不特定の第三者が投稿をシェア(拡散)してくれたり、コメントを入れてくれたりすることによって、自分のネットワークだけではなく、シェアやコメントをした人のネットワークにも情報が流れていくというメリットがある。時間は掛かるかも知れないが、小さな粒度の情報を転がしながら継続してより多くの人に見てもらえる。

 

そこから自社のWEBサイトや、自社の商品が掲載されている地元の自治体やメディアなどのページへ誘導していく事で、あなたのWEBサイトに訪れる人は少しずつ増えていく。

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もう一つは、ターゲットとする人たちがよく閲覧しているWEBサイトやSNSに掲載するという方法もある。国や世代、ターゲットによって多少の違いがあるが、飲食店の検索サイトで言えば、掲載するにはそれなりに費用が掛かるので候補として挙げるのが適当ではないかも知れないが、日本人が慣れ親しんでいる「〇〇ナビや〇〇ログ」などは海外の方はほとんど見ていない。海外の方を意識した場合には上記よりも「〇〇〇アドバイザー」に掲載されていたほうが閲覧してもらえる確立は高い。

 

まずは手弁当でも出来るところから始める。始めるからには結果を意識して取り組むという事が大事になろうかと思う。出来ることからとは言うものの、ここに書かれている事ですら「さっぱり分からない」という方もいらっしゃるかも知れない。そんな時は地元の自治体やインターネット精通している友人などに聞いてみるところから始めてみてはいかがだろうか?もちろん、本気で取り組むつもりであれば弊社にご相談頂くのも大歓迎である。

大事なのは、いつまでも見て見ぬ振りをし訪日外国人に対して自社をアピールすることを怠っているのは大きなリスクであるという事である。実際に来店したらどうするか?などを考える前にまずはやってみること、そして実際に来店して下さった時には心からの感謝をもってもてなせば、他に余計な心配はいらないのではないだろうか。