1次 ✖2次 ✖3次で6次化産業

農林水産省が国内生産事業を盛り上げるために取り組んでいる6次化産業。 これは生産者である1次産業、加工業者である2次産業、流通や販売に携わる3次産業の企業がそれぞれの持ち味を出し、シナジー効果が出るように取り組むことを推進する事業です。
1次×2次×3次で6次化産業と呼んでいるものですが、妙な違和感覚える時があります。それはどこへ行っても似たような商品開発しかされておらず、あまりにも短絡的思考によって作られたのではないかと感じる時です。
某役所の担当者さんが6次化産業について話していた中に「2JDG」という言葉がありました。現状の6次化産業を上手いこと表現していると感心してしまいました。
高度成長期時代のプロダクトアウト「2JGD」

2JDGというのは、6次化産業によって誕生した商品の
- ジュース(J)
- ジャム(J)
- ドレッシング(D)
- ジェラート(G)
の頭文字を使った言葉だそうです。
これらの商品は道の駅などに行くと沢山のラインナップを揃えている光景を目にすることが出来ます。

これらは、昔から販売されている商品もありますし、6次化産業の取り組みによって開発されたものもあります。これらの商品は原料にこだわり、品質も良いものがほとんどです。然しながら、マーケティング活動がしっかりと施されていない場合がほとんどではないでしょうか。
原料にこだわり、加工技術を駆使して、売り場まで確保できているといった環境がそうさせてしまう場合も少なくありませんが、高度成長期時代のプロダクトアウト的商品開発をしていても、現代は、それほど簡単に売れる時代ではないという事です。
モノを作るだけではなく売れる仕組みも一緒に開発

ニーズが存在するからこそ、商品やサービスは価値を生むというのが市場原理です。確かに商品の品質が良いという事が大前提ではありますが、みんながみんな、同じものを作り販売すれば、市場は一気に飽和状態になってしまいます。
新たな商品を市場に出すという事は、新たな付加価値を生み出し市場を育てていくのが理想です。6次化産業を補助事業として取り扱うのであれば、モノを作ることだけに注力せずに売れる仕組みも一緒に開発して欲しいと願っております。
予算主義的発想で「作ったら終わり」という事はないのでしょうけれど、少なくとも、6次化と称して国民の税金を使い事業を開発しているのであれば、市場全体を活性化させるくらいの気概は欲しいものです。